春を告げるいかなごの季節がやってまいりました。道を歩いていてもそこかしこでくぎ煮を炊いている匂いが漂い始めましたね。作りたてのくぎ煮を白いご飯の上に乗せて食べるのは格別に美味しくこの地域でしか味わうことのできない贅沢な食べ方ですが美味しく感じる味覚の一つには作ってくれた人の気持ちがこもっているからではないでしょうか?私も一昨年前までは祖母が沢山作ってくれたタッパーに入ったくぎ煮を当たり前のようにいただいていました。昨年正月に祖母が他界し、くぎ煮を作ってくれる人がいなくなってしまってからこの季節がくると祖母の事を思い出します。
昨年は初めて自分でくぎ煮にチャレンジしました。自分なりには初めてでもそこそこの出来栄えだと思いましたが祖母の作ってくれたくぎ煮にはまだまだほど遠い気がします。くぎ煮を炊いた事のない皆さん、この編集後記を書いている時には漁獲量や相場は分かりませんが値段が落ち着いた時を見計らって一度チャレンジしてみてください。きっとくぎ煮づくりのベテランの方々が誰かに食べてもらいたいって気持ちで炊いていることが分かりますよ。
人を喜ばせたいって気持ちが繋がっていく「くぎ煮」がこれからも受け継がれていくことを願っています。 |