明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙


 
うおんたなっていつからあるの?
どうして「魚の棚」?
うおんたなの最初の商品は?
町の始まり
 魚の棚商店街の場所で商売が始まったのは約400年前のことです。初代城主・小笠原忠真(忠政)が信濃(長野県)から明石へ移封されたのが元和3年(1617年)、その翌年から明石城築城を開始し、城下町の線引きを担当したのが宮本武蔵と伝えられています。町の東部を商人と職人の地区、中央部を東魚町、西魚町など商業と港湾の地区、西部は樽屋町、材木町とその海岸部には回船業者や船大工などと漁民が住む地区という風に、整然と町割りがされました。その東魚町、西魚町にあたるのが現在の魚の棚商店街の原型です。城に近い一等地に魚町が置かれていたことから、当時より明石では魚が重視されていたことがわかります。
「魚の棚」の由来
 「魚の棚」の名称は魚商人が大きな板を軒先にずらりと並べ、鮮度を保つために並べた魚に水を流していた様子からきています。江戸時代、沿岸沿いの城下町にはどこでも「魚の棚」という通称をもつ町があったようですが、今も名の残る「魚の棚」と言えば、全国的にも知られる明石の魚の棚商店街です。地元では昔から「うおんたな」と発音することから、このミニコミ紙面も親しみある「うおんたな」と名づけました。
最初の商品
 町ができた当時の東魚町では、鮮魚と練り製品の店が集められていました。また、東魚町よりやや西に位置する西魚町には塩干ものの問屋と小売りが並んでいました。元文年間(1736〜41)には東・西魚町で鮮魚店が56軒、塩干物店が50軒あったそうです。明石海峡や播磨灘の鮮魚、蒲鉾、ちくわ、天ぷら、干物といった商品が所狭しと並べられていたことでしょう。

魚の棚の途中にある弁天様の由来は?
毎年7月の例祭は、長らく町内行事として内々に行われてきましたが、今年はお買い物に来られる皆さんにも広く親しんでいただこうと、お守りの無料配布を予定しています。
7月6日(木)・7日(金)
厳島弁財天社例祭
東西の通り沿いにある弁財天社の入り口。見かけたらぜひお参りを!願いごとがかなうかも‥‥  

魚の棚商店街の東西の通り沿い「たこ磯」と「魚利」の間に小さな通路があるのをご存知でしょうか。
 昨年末のアーケード新装の際、弁天会館あたりから南へ続く通路を「魚の棚べんてん通り」と名付け、柱を朱塗りにしたり、鳥居を掲げたりと存在感が増しているので、改めて気づかれた方も多いかもしれませんね。
 通路を奥へ入って行くと「厳島辨財天社」があります。弁天さんと言えば知恵、財福、戦勝、子孫繁栄のほか、音楽、技芸、弁舌など芸能の神として知られています。商売繁盛を願って商店街の一角に祀られたものと思われますが、空襲等で資料が失われ、いつからここにあるのかは不明です。現在の社殿と、和室などを備えた弁天会館は昭和30年に建てられたもので、かつては貸し教室として頻繁に利用されたり、時には結婚式の会場にもなったそうです。
1回50円のおみくじあり。箱にお金を入れて、引いた番号の紙を引き出しから自分で取ってね 通路奥、弁財天が祀られているほこら 大正から昭和初期にかけて商店街に敷かれていた、古い石畳が残る数少ない場所でもある

明石のりはおいしいと聞きました。
どこで売ってるの?

魚の棚商店街の、塩干物や乾物を扱う多数の店舗で販売しています。

明石海峡周辺で獲れる海苔は、有明産などの緑がかった色と違い、黒くて肉厚なのが特徴。香ばしい磯の香り、パリッとした歯切れの良さ、スーッとほどけるような口どけの良さが魅力です。
 毎年12月ごろから収穫が始まり、最初の新芽を加工した「一番摘み」ののりは特に柔らかく、口どけが良い高級品とされています。加工会社や商品によって価格に多少の幅があるのは、そのような原料の違いも影響しているようです。ぜひ、皆さんの舌で明石産ののりを味わい、お気に入りをみつけてくださいね。
 魚の棚商店街では、塩干物や乾物を扱う多数の店舗で販売しています。「明石産ののりがほしい」と店頭で尋ねてみてください。

 参考までに、魚の棚商店街で扱っている明石のりのパッケージをいくつか紹介します。↓


よく買い物に行く酒屋さんのレジの奥に
何やら“おいしげ”なスペースが…。
立ち飲み屋さん?女性でもいけますか?うーん気になる!

“立ち呑み 田中”のことですね。
 発酵醸造食品販賣所たなか屋が、「味にこだわって集めた日本酒やワインを、気軽に楽しめるスペースを」と営業している立ち呑みスタイルのお店です。細い通路の奥に引き戸の入り口があるのですが、気になっていたけど入る勇気がなくて‥という人は多いよう。店主の田中さん夫妻が、先代から続く店を2年前から受け継ぎ、こだわりの立ち呑み屋へとイメージ一新。店内では女将を中心に女性スタッフが切り盛りしているので、家庭的な雰囲気です。量り売りの地酒やワインとともに、新鮮なお造りや煮物など手作りのお惣菜が豊富に用意されていて、女性のお客さんも居心地よく過ごせますよ。一度入るとハマっちゃうかも?

笑顔がさわやかな女将・田中裕子さん。
うおんたな第3号のインタビューでも登場

日本酒1合350〜600円、
いいだこうま煮350円、若竹煮300円
●メニュー
日本酒、グラスワイン、焼酎、ビール各種
料理一品280〜450円ぐらい
立ち呑み 田中 TEL(078)912-2218
10:00〜14:00・16:00〜21:00 土・日曜・祝日10:30〜18:00  木曜定休

紙面で紹介していた「AFAR(アファー)」って何の略ですか?

Akashiura(明石浦)
Fishman(漁師)
Active(行動)
Resarch(研究) の頭文字。
英語での“afar”にも通じる名前です。漁師は船の上で自分の位置を確認するとき、遠い目標物を目印にする“山だて”を行います。そんな風に『漁師の将来を見据え、その遠い目標に向かって進んで行こう』という決意を表現しています。
AFAR(アファー)とは・・・
 明石浦漁協の若手漁師有志が集まって、平成12年から活動をスタート。漁とのり養殖を営むメンバー10人が「自分たちが育てたのり、明石の魚をおいしく食べてほしい。自分たちが昔から馴染んでいる浜の味を伝えたい」と、自ら商品開発し、手作りのおにぎりや佃煮を販売する「おにぎり屋新浜」を運営しています。漁協のルールに従って、漁師は自分で獲った魚でも漁協を通して仕入れることになります。つまりAFARの漁師は、小売店や仲買人と並んでせりに参加し、その立場を体験しています。
 主力商品の「漁師のおにぎり」は1年半ほど前から販売を始め、魚の棚商店街では焼あなご店の「林喜」、土日は「子午せん人丸」前でも買うことができます。 今号の巻頭特集で座談会に参加していただいた戎本さん、中谷さんもAFARのメンバーです。
戎本さんからひとこと
 
以前魚屋と漁師と集まって話をしたことが1回あったけど、その時は立場の違いで敵対してしまい、対立的な部分が強かった。その後AFARで、おにぎりを作るために魚屋と並んで魚を買うという経験をしたことで、その気持ちがようわかった。そういうことを経て、今回の座談会ではええ話ができたと思う。
中谷さんからひとこと
 
AFARで活動する上でいろんな人と出会い、勉強させてもらった。漁師の世界だけでいたらわからんかったこと、気づかんかったことがあったと思う。なかなか儲けるとこまではいってないけど、観光客向けに常温で保存できるものなど、新商品開発にも取り組んでるところです。
「漁師のおにぎり」たこめし・鯛めし各1個の2個入り360円。添付ののりは明石産の一番摘みのり

明石の漁師AFAR ホームページ 
http://afar.noor.jp

メンバー全員の紹介やおにぎりの詳しい説明、ブログも必見!
AFARのメンバー10人。前列右が戎本裕明さん、左が中谷正男さん、中央は前号「紅葉鯛」特集で取材させていただいた井上晃良さん

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