魚の棚生誕400周年記念特別号!うおんたな28号
2019年、明石城築城400年とともに魚の棚は設立400周年を迎える。
そこで今回は、【歴史を語り継ごう、インタビュー編うおんたな古今東西】
と題し、創業明治5年以来炭焼きあなごの伝統を守り続ける
「林喜商店」4代目、林祝雄さんに
「うおんたな」の歴史や想い出をお聞きしました。
(インタビュー:都あきこ)
林さん: 私は、中学生の頃から家業の手伝いを始めて、親父の見よう見まねで、穴子を焼いていた。暮れには子供達が小さい穴子を任されたりしてね。親父の焼き上がりを見て、
「こんな風に焼き上げるためには、どないしたらいいやろう。」と子供なりに考えて焼いてたよ。同じ火で同じ穴子を焼いても、人によって焼き上がりが違う。寿司屋でも誰が米を炊いたかわかるというだろう。それと同じだね。
その頃はお祖父さんが朝、炭の火を起こし、穴子を焼き始めた。今は17時には店を閉めるが、私が20歳頃までは、19時すぎまで店は開いていたよ。
都: その頃の「うおんたな」はどんな感じでしたか。
林さん: 活気があった。私が12歳の昭和36年に銀座、本町商店街に続いて魚の棚初代アーケードができてお祭り騒ぎ。その時は石畳ではなく地面はアスファルトだった。
明石でも傘をささずに買い物ができるようになったとあって、通りは人で溢れていたよ。
東西だけでなく鮮魚店は、南北の道にもあって、仲買いと小売りの二枚看板を営む店が多かった。
休みは、ほとんどなく盆と正月だけだったが、月1回7日だけが休みになったのを覚えている。その後、月2回、1と15日が休みになり、昭和40年代には七、17、27日の「7」のつく日、月3日が休みになった。
都: 休みを取る暇さえないほど繁盛していたんですね。
林さん: 淡路からは、「カンカン部隊」と呼ばれるブリキを担いだ行商人が来ていたし、三木や小野方面、地方からも貸切バスで日常的に魚の棚に買いに来ていたのを覚えているよ。
基本的には、従業員は住み込みで働いていた。店頭、店の奥にみんなで食事する部屋、その奥が住み込みの部屋に分かれていたね。うおんたな自体が生活の中にあった。
都: なるほど。商店街は、生活と一体化していたんですね。
それから、昭和53年に明石市公設地方卸売市場に水産物部が開設され卸売部門が移転したんですね。
林さん: 明石に公設卸売市場ができてから「うおんたな」は、卸売と小売りの二枚看板から小売り専門の魚の棚へ変わっていった。
その頃は明石の「前もの」の穴子もよく獲れていたね。今は、水揚げが少なくなった。漁獲量も今とは比べものにならないぐらい良かったね。
都: 昭和60年代も「うおんたな」に勢いのある時代でしたね。昭和60年に東西商店街の振興組合が発足し、昭和62年に2代目カマボコアーケードが完成。翌年63年に魚の棚青年会が発足したんですね。
林さん: そう。それまでは、「明石センター街」、「魚の棚センター会」、「魚の棚南商店会」、「魚の棚商店街」、「錦通り商店会」の五つに分かれていた。それが前述三つは「魚の棚東商店街」に。後述2つは「魚の棚西商店街」の東西商店街にまとまった。
青年会も、会員相互の啓発、親睦のために発足したんだ。
都: 青年会では、どんな取り組みをされたんですか。
林さん: まずは、月1回若いもんで集まって講師をお招きして勉強会を開いたり、売り出しのイベント企画、ゴルフ会もあった。青年会主催で「いかなごの釘煮教室」や、「鯛の目方当てコンテスト」「ギネスに挑戦。200メートル巻き寿司」なんてこともして集客イベントを数多く手がけた。
都: 工夫を凝らした面白い取り組みをされていたんですね。
林さん: そういえば、市民会館中ホールで、淡路に居住していた作家の灰谷健治郎の講演会を開いたりもした。講演料をお渡ししようとしたら、灰谷さんが講演料はいらないって言ってくれたもんだから、灰谷健治郎全集を買って図書館に寄贈したりもしたな。
都: 灰谷さん!いいお話ですね~。
林さん: みんなで一緒に汗を流して、自分たちで一から作りあげたイベントを運営し、やり遂げる醍醐味があったが、その頃の青年会のメンバーが今の理事会のメンバーになり、今は、青年会を継ぐ若い世代がいないのが現状。ほとんどイベント企画運営も業者に任せる時代になり、商店街の会員同士の付き合いも減ったように思う。今は今のやり方があるだろう。
都: 今、「うおんたな」に思うことは何ですか。
林さん: いつまでも「うおんたな」は、「うおんたな」であり続けて欲しい。昔の人が「うおんたな」の名に値打ちを付けてくれた。昔は良かったというのは容易。「うおんたな」を時代に合う形で高めていく努力ができたらと。次の世代が先導して「うおんたな」を盛り上げて欲しいと願うよ。
都: 明石生まれの私にとって、「うおんたな」は両親とよくおとずれた思い出深い商店街。ピチピチの生きた蛸を買ってきては、母が塩でしめて蛸料理を作ってくれました。昨年の大晦日にも家族で買い出しに来ましたが、人で溢れかえって歩けないほどの賑わいでした。正月の準備に人々が押しかけるのは、スーパーではなく、明石の新鮮な「前もの」の魚が手に入る「うおんたな」だからこそ。
400年を経た今も、市民に愛される「うおんたな」。いつまでも「うおんたな」が「うおんたな」であって欲しい。ファンの一人として切に思いました。林さん、貴重なお話をありがとうございました。
編集後記
今回の取材で林さんの「昔は良かったというのは容易」という言葉が身に染みました。
先人の築き上げた魚の棚、その恩恵を受けて商いをさせて頂いていることと、それをいかに次世代へと繋げていくのかということ、今一度考えていかなくてはいけないと改めて感じました。
今年は魚の棚も生誕400周年、これを機にさらに魚の棚に興味をもっていただいて、足を運んでいただければ幸いです。
ミニコミ紙「うおんたな」編集委員長 松谷佳邦
<創作串カツ専門店> 明石串カツ うおんかつ
TEL:(090)7102-4285
定休日: 不定休
営業時間:16:00~24:00
明石と言えば鯛・蛸・穴子。
当店では蛸や穴子の串カツや、天使の海老、キスなど海鮮の串カツがおすすめです。普通の串カツのソースではなく、とろみをつけた「鯛出汁」にくぐらせてお召し上がりいただくスタイルをとっています。もちろん海鮮との相性抜群、あっさりした味わいで、しつこさがなく何本でもお召し上がり頂けます♪
<焼き芋・柑橘果物・野菜> いも八
TEL:(090)6752-8586
定休日: 不定休
営業時間:10:00~17:00
岩岡産の新鮮な無農薬野菜を取り扱っています。冬の時期にはオーナーが自ら香川県へ出向き、地元のみかん農家から仕入れてくる柑橘系果物がおすすめです。小原紅、はるみ、せとか、でこぽん、など豊富に取り揃えております。また、秋〜春にかけては種子島の「安納芋」「紅はるか」の石焼き芋を販売しています。
<寄道酒場>寄道酒場 ひめ
TEL:(050)7132-9577
定休日:不定休
営業時間:14:00~23:30・日祝12:00~23:30
魚の棚に気軽に立ち寄れる居酒屋をコンセプトに営業しております。お酒に良く合う、アジフライや焼き厚揚げ、牛スジどて煮などちょっとした一品物や揚げ物をご用意しております。また、その日の当店おすすめメニューは、ボードに記載しておりますので楽しみにご来店ください。おにぎり、お茶漬けなどのご飯物もございます。
<カジュアル酒場> OCEAN WIND
定休日: 不定休
営業時間:18:00~22:00
手マスターの座右の銘は「No Liquor No Life」。気軽に立ち寄れるあたたかい雰囲気のカジュアル酒場です。日本酒や焼酎など、美味しい地酒を、マスター自ら足を運んで仕入れています。ちょっと珍しい梅酒もおすすめ。お店に決まったメニューはなく、その日によって店内にある鉄板で、新鮮な牛や豚、鶏、海鮮を焼いてご提供するスタイルをとっています。
<明石の魚・伝助穴子料理専門店>
明石料理 あかし亭あなご
TEL:(070)2795-6568
定休日:毎週火曜日
営業時間:平日11:30~22:00 金土祝前日11:30~24:00
明石のまえもんの新鮮な魚介を仕入れています。中でも、美味しい穴子を皆様に食べてもらいたい!という思いで、年々希少価値が高い300g以上の大きさの伝助穴子は、明石海峡の恵みを受けて育ち、早い潮流で鍛えられた身は引き締まり、肉厚で身が柔らかいのが特徴です。
あなご料理の種類の豊富さは当店自慢のひとつです。
<鮨> 鮨 縁
TEL:(078)995-5900
定休日:毎週水曜日
営業時間:17:00~23:00/日曜はランチあり11:00~14:00
間接照明を使ったモダンな空間に網代天井がよく映える、魚の棚商店街にたたずむ隠れ家的な鮨店です。明石だけでなく、各地から直接仕入れている厳選された新鮮素材とこだわりの鮨飯を、大将が一貫一貫丁寧に握ります。高級感漂う店内の雰囲気を味わいつつ、四季折々の厳選素材を使った本格握り鮨をご堪能ください。
<うなぎ蒲焼専門店> うなぎ黒谷
TEL:(078)912-1009
定休日:毎週木曜日
営業時間:11:00~14:00(L.O.)
炭火焼うなぎ専門店 黒谷商店が、焼き立ての自慢のうなぎをお客様に召し上がっていただきたいと堂々オープンしました。 四季を通じて厳選された最高級のうなぎを使用し、目の前の備長炭で、秘伝の特製ダレにからめながら丹念に焼き上げます。うなぎは、ふっくら香ばしく肉厚で、上品な味わいの逸品です。
<魚笑料理専門店> まある笑店
TEL:(078)940-8484
定休日:毎週水・木曜日
営業時間:平日17:00~21:00
土日祝11:30~20:00
魚笑を使ったお料理と、厳選したお酒を提供することにこだわっています。「魚笑」とは、イカナゴと塩で作った無添加天然の発酵調味料。魚笑を使ったお料理をご堪能下さい。
お酒も豊富に取り揃え、中でも日本酒の生酒が特におすすめ。兵庫の地酒である明石の「来楽」、朝来の「竹泉」、姫路の「雪彦山」の3種類をご用意しています。
<燻製居酒屋> 燻製居酒屋 KUN-KUN
TEL:(078)778-8220
定休日:毎週月曜日
営業時間:18:00~深夜(L.O.翌2:30)
燻製の美味しさ素晴らしさを存分に味わうことのできる燻製専門の居酒屋です。
店内に燻製器があり、毎日モクモク燻製しています。
定番のお肉系から明石ならではの魚介など、燻製すると食材のうま味が凝縮され、けむりの独特の香りと相まって風味が増します。是非、当店特製の薫製をお召し上がりください。
<手打ちうどん専門店>
手打ちうどん 海士麺蔵
TEL:(078)585-6751
定休日:毎週月曜日
営業時間:平日11:00~15:00・18:00~24:00
土日祝11:00~15:00・17:00~21:00
店内に最新式の手打ちうどん式製麺機を導入し、打ちあがった出来立てのうどんをお楽しみいただけます。厳選した小麦粉と、良質な天然塩と明石の湧水で作った塩水を混ぜ合わせた、ソフトな弾力ともち感のある自家製うどんを、ご賞味下さい。また、出汁は無添加にこだわり、利尻昆布、煮干をベースに、うるめ、さば、花かつおを使った海の恵み溢れる出汁を使用しています。
<立ち呑み> スタンド★みなみ
定休日:毎週木曜日
営業時間:14:00~22:00 日曜13:30~20:30
ほっとするアットホームな雰囲気と家庭料理がほっこりやさしい立呑み居酒屋です。お店自慢は、四川風ピリッと辛く、やみつきになる特製マーボー豆腐(350円)。また、手作りシューマイや砂肝ときのこのアヒージョ(パン付)も、まさに“おかんの味”と思える一品です。全てなくなり次第終了となります。