明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙



漁師の姿

この度、タコ漁の船に乗せていただいたのは、京本さん親子の漁船(底網漁船)。
息子さんは、小学校の卒業アルバムに漁師になりたいと書き、高校を卒業してすぐ夢をかなえたという。
「今も漁師の仕事が面白い、値打ちがある。自分よりたくさん獲る漁師がいるという事は、まだまだ工夫すれば獲れるチャンスがある、そのチャレンジ精神に面白さを感じる。仕事は楽しんでなんぼのもんやというのが基本である。私は命を懸けた漁師という職業に誇りを持っている。」と嬉しそうに語ってくれました。親父さんは中学を出てすぐに漁師になった漁師家系の一家である。
若い頃は弁当持参でガツガツ食べていたが、今は、夏の暑さもあっておにぎり2個ほど持って行き、水分補給の為、水を2リットル持って行くそうだ。

週2日休みで時化(しけ)以外の日に漁に出る、これが漁師の仕事である。
明石浦漁協は、特殊な港で全国の港でも共働きの漁師の家庭が多く奥さんも働いている。夫が夜、漁に出ている間は奥さんは寝る。昼間は奥さんが港(漁協)で旦那さんが獲ってきた魚を競りにかける準備をしている。その間、夫は寝ているといった生活を送っているそうだ。京本さんから奥さんも共に働いてくれる事は、本当にありがたいと本音を聞くことが出来た。






漁師の苦労

明石浦の漁にはルールがある。港を出て帰ってくる時間が決められている。一人で行く漁は13時間以内、二人の場合は14時間以内となっている。めいっぱいぎりぎりの時間まで漁をしている漁師も多い。お金儲け以外に、他の漁師に負けたくないという張り合いの精神も多分にある。タコ漁は夜からが基本、夜の海は暗黒、  慣れるとそうでもないが寂しい時もあるそうだ。 

船はGPSを見ながらポイントを定めて、この潮の流れの時には、この場所でどのような過去の実績があったのかを頭の中に叩き込んでいる。これをもとに浜の情報を参考に場所を決め、自分のやりたいポイントに出かけて行く。 

この日は、二見港に近い浜寄りで深夜は漁を行い、夜が明けるともっと沖に出て漁を行った。不思議なもので、夜には獲れるのに昼には獲れない。夜には獲れないのに昼には獲れる。場所によって時間帯によって獲れるところが異なるのだ。本当に経験がものをいう仕事である。


今年のタコ漁

京本さんの底引き網の漁は、この時期はタコ漁を行っているが、一年中タコ漁を行っているわけではない。季節に応じて、アナゴ・目板ガレイ・ガシラなど、獲る魚を変えるようである。京本さんの船は、なんと今年初めてタコ漁に出たとのこと。
タコ漁はいつごろから出られたのかを尋ねてみると「7月からタコがおらへんようになるまで」。1?3月はあまりタコは獲れないが、それ以外の月では年中タコが獲れるようになった。「これも気候の変化があるかもしれない。」「ほんまは江井ヶ島とか藤江の沖でもおんねんけど、今年は出てこんと終わってしまう。ほんまに多かったら海岸沿いにずーっとおる。」そういう年もあるそうだ。漁師として、そこに海があり、そこに魚がいることに感謝したいと語ってくれた。


最後に…

最後に漁師として消費者の皆さんに思うことを聞いてみた。スーパーで販売されているタコの多くはモロッコ産が多く、明石ダコは少ないのが現状。しかし、魚の棚商店街の魚屋さんの多くでは店頭に並んでいる。ぜひ、明石ダコの美味しさを味わってほしいと語ってくれた。







明石の魚はほんとに凄い…

今まで体験したかった「タコ漁」に同行して改めて明石の魚の魅力を感じることが出来た。私(宮本)は子どもの頃、育った町は明石ではない。そこでは魚は嫌いな食べ物のベスト3に入っていた。しかし、働き始めて明石に拠点を移したとき、魚の美味しさに驚いた。魚の身の甘さとぷりぷり感、今では大好物になりました。タコだけではなく、ぜひ、明石の魚を食べていただきたいと思います。その美味しさを知れば明石の魚のファンになること間違いなしです。


明石ダコが一番!

全国に名を知られる「明石ダコ」。水揚げ量だけでなく品質もピカイチ。味の良さから日本一と言われています。その理由は、明石海峡の潮流と餌の豊富さ。明石の海は流れが速く、厳しい環境下で育つタコは筋肉質。その表現として魚の棚では「明石のタコは立って歩く」と言われるほどです。身が引き締まって、食べるとコリコリとした歯ごたえが特徴です。


明石ダコを買うなら魚の棚商店街。

もちろん魚の棚以外でも手に入れることが出来ますが、魚の棚をおすすめするにはちゃんと理由があるのです。魚の棚は港から近いという好立地、獲れたての活きの良い明石ダコが最も早く店頭に並びますので、鮮度が抜群なのです。


家庭でできる明石ダコの簡単塩もみ術。

一、頭をひっくり返して、破らないように気を付けながらスミ袋を取り除きます。
   (魚の棚の鮮魚店では、この作業をサービスでしてくれるお店もあります) 

二、塩(安いものでOKです)をたっぷり使い、金ざるに擦り付けてから水で洗い流し、
   ぬめりをしっかり取り除いてください。
   これで塩もみ完了です。


茹でダコを作る場合も簡単。

一、火の通りを均等にするために、足の付け根に切り目を入れるか、
   足をバラバラにする。

二、たっぷりの沸騰したお湯で茹でます。

三、茹で具合はお好みですが、完全に茹で上がる手前がおすすめです。

四、茹で上がったら氷水で締めるのも大切なポイントです。


タコ本来の旨味を味わう。

塩もみした明石ダコをぶつ切りにし、シンプルに塩で食べる。
噛むほどにタコ本来の旨味が味わえる逸品です。





 
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