明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙
 

2006年に試験販売された「あかしの魚笑」

タイの「ナンプラー」やベトナムの「ニョクマム」など世界には魚と塩で発酵させた醤油「魚醤」がいくつかあります。日本では秋田の「しょっつる」、能登の「いしる」などが有名ですが、この2つと並んで日本三大魚醤油と数えられるのが「いかなご醤油」です。香川県では50年ほど前まで作られ、一般的に食されていたようですが、その後は廃れていました。その「いかなご醤油」造りに明石で挑戦しているのが、魚の棚商店街で「発酵醸造食品販賣所たなか屋」「立ち呑み田中」を営む田中泰樹さんです。
先代から酒屋を継ぐ際にも屋号を「田中酒店」から「発酵醸造食品販賣所たなか屋」に変えたほど、以前から発酵食品に興味がある田中さん。同じ商店街の仲間との雑談で「いかなごで魚醤を作ってみたいなあ」と言ったのがきっかけだったそうです。その後、明石の魚住にある酒蔵「茨木酒造」の杜氏、茨木幹人さんと話をする機会があり、面白い、酒蔵の場所と設備を使ってやってみようという話になりました。
発酵の専門家にも相談しながら、原料のいかなごのサイズや塩の種類、量を研究。4月に200キロのいかなごを仕込んで温度管理をしながら4ヶ月熟成、9月には300ミリリットルの瓶詰めで500本のいかなご醤油が完成しました。限定販売ではありましたが、神戸芸術工科大学の学生の協力によってラベルを作成し、販売。
昨年の分は完売しました。
「最初にしてはなかなかいい味になっている。改善点もいくつかあり、次回はもっといいものができると思う」と田中さん。実際、舐めてみると他の魚醤に比べると塩分が少なくまろやかさがあり、いかなごの香りと凝縮した旨味が感じられます。チャーハンやスープの仕上げに隠し味程度に加えると、何とも言えない風味。今年も春に仕込みに入り、夏には第2弾の明石産いかなご醤油が完成。新たな明石の特産品候補として注目を集めている新商品。初秋の発売が楽しみですね。
●お問い合せ先明石イカナゴ魚醤油研究会
  「あかし魚笑」
  078-912-2218 


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