明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙

魚の棚の女将さん、若奥さんたちだから知っている商店街のお得情報、こっそり教えてもらいました!「あの店で○曜日にしか売ってないアレがおいしい」「たまにしか出てないけどめっちゃお買い得!」「競争率が上がるからホンマは教えたくないねんけど…」そんなお得情報、満載です。

<明石焼・お好み焼>よし川 078-911-8311
10:00〜19:00(土・日曜・祝日〜20:00)
木曜定休(祝日の場合は営業)
明石焼・たこ飯セット
(雨の日特価)

前号の“奥さま座談会”登場の今村さんの店。雨の日にお得なサービスあり!明石焼とたこ飯のセット、通常950円のところ、雨が降っている時間は800円の特価奉仕。漬け込んだ干しだこと自慢のだしで炊く、特製たこ飯が売り切れるまでの限定サービスです。

<精肉>森谷商店 078-914-4129
7:00〜18:30 木曜定休
日替わり奉仕いろいろ
他の曜日には買えない「特製鶏の照り焼き(もも肉・チューリップ)」が登場する火曜日、自家製焼豚が約25%引きの大特価奉仕になる水曜日、コロッケほか揚げ物が特価になる金曜日など。曜日によって異なるお買い得商品、限定商品があります。

<鮮魚>かねき 078-911-2410
7:30〜18:00
木曜・第3水曜定休
全商品100円引き(火曜奉仕)
前号の“奥さま座談会”登場の藤原さんの店。火曜日がお買い得デーで、朝一番から鮮魚が通常の価格より100円引き、あらなどを詰めた味噌漬けのお得パックも登場。終日、全商品が安くなるので、常連のお客さんたちもこの日は絶対はずさない!

<青果・豆腐>金引青果 078-911-1925
8:00〜18:30木曜定休
豆腐(水曜特価)
現在は青果店ながら、かつては自家製豆腐専門店だっただけに豆腐の味にもこだわっているのがこちら。水曜日は豆腐の特価日で、もめん・絹ごし(120円)、田舎豆腐(130円)が各100円、ミニ絹ごし(100円)が80円のサービス価格に。
(豆腐コーナーは店内奥)

<味噌漬>魚 常 078-911-4112
9:00〜18:30 木曜定休
端・カマのお買い得パック
(月曜朝一)

さわらや鯛、ほか季節の魚の味噌漬けが人気の「魚常」ですが、通常の切身の部分ではなくて端部分やカマの部分の味噌漬けを詰めたお買い得パックが月曜日の朝に登場します。1皿160円、売り切れゴメン!お弁当のおかずなどに重宝しますよ。

<漬物>畠田商店 078-911-2190
7:30〜18:30 不定休
刻みキムチ(月初め特価)
毎月1日から7日まで鶴橋仕込みの「刻みキムチ」がお買い得!通常1袋(300g)525円のところが420円になります。あらかじめ刻んであるので食べるときに包丁で切るのが面倒、という人におすすめの商品。

<炭焼あなご>林喜商店 078-911-3378
9:00〜17:30 木曜定休
あなご弁当(一日20食限定)
毎日11時半から店頭に並ぶ「あなご弁当(1000円)」は限定20食で売り切れゴメンの人気商品。自慢の炭火焼あなごをのせたご飯は、特製のたれで味つけ炊き込んであるので旨味が染みています(予約可)。その他、時間と曜日不定で登場するあなごの肝焼(1本160円・1人5本まで)も人気!

思い出の味・・・6個10円の“玉焼き”や黄金色の“上焼き”
(う) 早速ですが皆さん、初めて食べた玉子焼ってどうでした?

(吉) 大明石町に卸売(青果)市場があったころ、小学校に上がる前にそこで食べた玉子焼が初めてだったと思います。39歳のころに「玉子焼マップ」を作ろうと思い、明石市内にある86〜87軒を全部食べ歩きしようと1日3軒回っていたことがあるんです。途中で店が潰れたり増えたりするもんで収集つかなくなって、結局は60数軒ほど回ったところで断念、玉子焼マップは幻となったんですが…。まあ、そんなわけで玉子焼、大好きです。

(う) いきなり強者が登場ですね!

(大) 私は神戸の北区出身なので、両親のおみやげで食べたのが初めてのだったと思います。大阪のたこ焼きよりは明石焼の方が好き、という程度でしたけど、今年の3月に明石勤務になってからミーハー精神で友達と「食べ歩きしてみよう」と回ってみました。でも1日3軒でお腹いっぱい、ギブアップ! これまでに行ったのは23軒です。


(滝) 僕は小学校1年ぐらいのとき、明石公園の中部幾次郎の銅像の前でやってるおばさんの屋台で食べたのが最初。昭和38〜40年かな、当時6個10円で、だしはつけずにそのままで食べてたな。そのころはみんな「玉焼き」と呼んでました。タコが入っているのは大人の食べもんで、子どもが自分の小遣いで買うのはタコの代わりにこんにゃくが入ったやつ。駄菓子感覚でしたね。

(越) 子どものころ遊んで家に帰ると、おばあちゃんやお母さんが魚の棚の近くで買ってきてくれました。平べったくて、寿司を包む笹みたいなんに入って、緑色の紙に包んであったな。今より塩味が効いてて、だしは付けずに食べてたと思います。
(滝)昔は上焼き、というのがあったね。卵は普通1個なんやけど、上焼きは2個入れる。卵が多いとこわっとする(固めになる)んです。

(吉) 卵が多いと焦げやすくなるので焼くときに油が多くなるんですよね。カリッとするんやけど、ちょっと油っこくもなるね。

(滝) 僕らがガキの時分は卵が貴重品やから、上焼きを食べると「わあ!上焼き食べれた〜!」というありがたみあった。

思い出の味・・・自分で食べ比べるのが明石焼の醍醐味!
(う) 吉川さん、食べ歩いてみると店によってやっぱり違うもんですか?

(吉) まず台が違いますよね。赤い塗りの台と、杉板の台、中にはステンレスなんていうのもありますよ。杉板にすると余計な油分を吸ってくれる。塗りは色がきれい。玉子焼のルーツに「明石玉(模造珊瑚)」がありますが、あの赤い塗りの色はその明石玉のイメージから来てるんちゃうかな、と僕は思ってるんですよ。味も山の手と海の手で全然違う。山の手(国道より北ぐらい)はあっさりしていて、海の手は塩けが多くて、やわらかいんです。海の方は労働で汗をかくから塩気が多いんかな。

(う) 大月さんはどうでした?

(大) 楽しかったですね!店によって全然味が違うし、自分でランキングつけたりして、ゲーム感覚で楽しめますよね。だしも、玉子焼も違うし、接客とか店の雰囲気もある。私の場合は玉子焼の卵の部分が一番のポイントやと思いました。

(う) 実は魚の棚で商売していて困るのが、お客さんの「明石焼どこがおいしいのん?」という質問。何をポイントに味わうかによって感じ方は違ってくるから「実際食べ比べてもらうのがいいですよ」て言うんですけどね、観光バスで来てる人はそうもいかへんし。

(滝) 玉子と粉とだし、焼く油。素朴なだけに難しいねんよね。食べる人の口によるからね。

(越) シンプルなのになんであんなに味が違うのか、不思議ですよね。

(吉) 僕は何回か、食べ比べ大会をやったことがあるんですよ。知ってるお店5軒ぐらいに「何時何分に行く」と言って、車で取りに行くんです。集めたらそれを、店名わからんようにして数人で食べ比べするんです。面白いですよ、どれがおいしいって、けっこうはっきり結果が出ます。

(う) その場で食べるのと、持って帰って食べるのとまた違いますよね。アツアツでおいしい店とか、持ち帰りでおいしい店とかも出てくるんちゃいますか。

(吉) ウンまあ、それはそれで。そやから、遊びでね。

(う) 明石ならではの遊びですよね。

そのまま派?ソース派?だしはおかわりしよう!
(う) それぞれ、これが自分のベストという食べ方は?

(滝) 最初の半分はそのままだしで、次はソース塗ったやつをだしにつける。それが明石っ子の食べ方やで!

(う) 2回楽しめる言うことやね。やってみたけど僕はそれ、あんまりやったなあ。

(吉) ソースつけるというのは、お好み焼きも玉子焼もやってる店で誰かが始めたんでしょうね。今は玉子焼専門店でもソース置いてるとこあるから、それはOKいうことなんちゃう?
  僕はね、最初は熱いからだしの中に崩して、ズルズルっと。だしが汚れるから交換してもらって、次はソースをちょんちょん、一味をぱらり。最後の3つはまたそのままで食べる。アクセント効かせて、起承転結でね! 明石焼って、この列は私、この列は私っていう感じで分けられるでしょう。焼き上がった一枚ごとにアツアツを分けて、また次の一枚を分けて。それが美しくていいよね。

(越) 僕はシンプルにそのまま食べてて、途中でソースつけたり一味や薬味を入れて味を変えて、最後はもう1回普通に戻して楽しみます。

(大) 私はソースつけてみようかなあっていつも思うんですけど、だしが汚れるのがいやで、いつもつける勇気が出ないんですよねー。

(吉) だしは3回ぐらいおかわりしたらいいんですよ!

(大) ええーそうなんですか。だしを使い切ったらもう終わりかと思ってました。どこでもそうですか?嫌な顔とかされないかなあ。

(滝) ううーん、中にはあるかもね。嫌な顔されたらもう行きたくないよね。

(吉) いや逆に、それでいい店か悪い店か、判断したらええんちゃう?

明石焼と名乗るからには明石のタコを使ってる店がいい

(吉) おいしい店はやっぱり、タコがおいしいんやね。生のタコ冷凍してて、使う時にゆでてるとこはおいしい。ゆでダコを冷凍してるとこはもう、味も香りもないねん。中には外国産のタコを使ってるとこあるでしょう。食べたらわかるんやけどね。

(滝) 明石焼というからには前のタコを使ってほしいよね。それに、大きければいいっていうもんでもない。そやけど大阪のたこ焼きを食べ慣れてる人から見たら、タコしか入ってへん明石焼はシンプル過ぎてつまらん、損した気分ということもあるみたいやね。

(吉) ほんでね、大阪で明石焼食べようと思ったら高いでしょ!ちょっとの量で800円とか。あんなん大阪の人からしたら「こんな高いのんアホらしいわ」ってことになるんやろうな。

(大) 明石以外で食べるのと、明石で食べるのと、全然味が違いますよね!

(吉) 東京とか、海外からお客さん来たときに玉子焼屋に連れて行ったらね、ものすごい喜ぶよ。1000円以下であんなに喜んでもらえるなんて、コストパフォーマンス最高!

(う) やっぱりここらは昔からタコの産地やから、タコの味を活かすという意味であのシンプルな味が発展してきたっていうことなんですね。


スタンプラリーに明石焼祭り 夢は明石焼会席!?

(う) 魚の棚商店街の玉子焼店に望むことってありますか?

(滝) 魚の棚にもこんだけ店ができたら、やっぱり食べ比べできるのがいいですよね。各店で1人1、2個ずつ食べられるとか、楽しみを増やせば魚の棚の目玉になるんちゃう?それでここがおいしいな、と思った店には、また来はるやろ。

(吉) 必ず1人1人前頼まなあかんって言われた、というような話を聞くけど、たとえば子ども用の1人前とか、小さいサイズがあってもいいんちゃう? お店同士連携して「玉子焼祭り」みたいなイベントもやってほしいなあ。

(大) 玉子焼の店も増えたことだし、若い世代の人が魚の棚に訪れるきっかけになってくれたらなあと思います。あと遅い時間まで開けてくれる店があったらと思うんですよね。

(越) 僕は魚の棚ならではの、変わった玉子焼をこれから考案してほしいな。

(滝) 「玉子焼会席」があったらなあ、と思うんですよ。玉子焼をメインにして、遊び心でね、明石のおいしいもんいろいろ出したら、女性にも喜ばれるん違うかなあ。

(吉) そうそう、玉子焼に天ぷらの衣つけて揚げて食べるのもおいしいんですよ。だしに入れて揚げだしにしてもいいし。ほかに、冷凍して、半解凍で食べるのがおいしいという人もいます。いろんな食べ方があってもいいよね。それに、お客さんが自分で焼いて食べられるような店があっても面白いと思う。

(う) 今日はみなさんありがとうございました。魚の棚商店街の玉子焼屋さんも8店舗になって、競争が激しくなってきました。これからますます切磋琢磨して、名実ともに明石のナンバーワンと言われる店が、ぜひこの魚の棚から誕生してほしいものですね!


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