明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙



魚の棚のお店の看板娘さんをご紹介します



和田 悠希 さん
魚の棚中央に位置する「あかし多幸」さんで毎週土曜日の昼から閉店まで働かれています。
趣味を尋ねると音楽を聴くことと可愛い笑顔で答えて頂きました。
いつも「不撓不屈」を心に秘め、何事にも諦めない強い心を持って行動されている素敵な女性です。
残念ながら来年からは歯科衛生士として社会人になられます。
後少しの期間ですが精一杯頑張っていくそうです。

●お客様に思うこと
お客様が多幸に来て良かったと思って頂けるよう、いつも笑顔で接客をするよう心掛けています。
皆様のご来店お待ちしております。


あかし多幸
明石市本町1丁目5-17  TEL 078-911-2241
<営業時間>
月・火・水 11:00〜18:00
木   11:00〜16:00
金・土・日 11:00?20:00
但し、営業時間内においても売り切れの場合、
営業を終了させて頂きます。
定休日 無休(不定休あり)
モダンな造りのおしゃれな店内は、ゆっくりくつろげる空間が広がっています。
自慢の明石焼(15個600円税別)のほかに鯛茶漬など、こだわりぬいた逸品メニューが勢揃い。
週末になると順番を待つ人で店頭が賑わいます。








豊富な餌と明石海峡の激しい潮流に揉まれて育つ明石ダコは足が太く身が引き締まり、
しっかりとしたタコの味が魅力です。
一番タコの美味しい時期は、「麦わらダコ」と呼ばれる七月?八月(お盆まで)、
また、「寒ダコ」と呼ばれる十一月頃のタコが大きく人気です。
魚の棚では魚屋で売られている生のタコだけでなく明石焼、干しダコ、うま煮等、
タコを加工した商品が多く売られています。

今回の特集では、タコの旬である七月下旬に、漁船に乗って一日取材をしました。




京本幸雄氏
慎二さんの親父さん(70歳)

京本慎二氏
(45歳)
       


タコ漁取材日記

取材当日(7月29日)、夜9時過ぎ、編集者の宮本と私(松谷)の二人で漁船に同行させてもらうため明石浦漁港にむかった。
間もなく京本さん(明石浦漁師)親子がやってきて、直ぐさま出港。幸い海は穏やかベタ凪というやつだ。それでも素人にとっての長時間の船は過酷であろう。しかもこの日は宮本も私も仕事を終え仮眠をとる間もなく船に乗り込んだから、船酔いや睡魔に襲われないだろうかと心配は尽きなかった。
 9時半、漁船は港を出港、まずは漁場である二見の沖合へむかうこと約1時間。船のドドドというエンジン音で人の声も聞こえない、そんな環境下でこれから漁が始まる。

我々は船の先端に座らせてもらうことに。すると親父さんが「これ敷いときやっ」と、座布団を出してくれた。ガサツなイメージがある漁師だが、意外と親切?邪魔にならないだろうかと心配していただけに少し安心した(笑)。

ポイントに着くと、いよいよ漁の開始。漁師にとってはここからが本番。
網を海に沈め、ゆっくりゆっくりと曳くこと約一時間。そして網を引き上げ、獲れたタコを大きさ毎に船底の活洲に入れる。
一回の網でドッサリ魚が獲れるのかと思いきや意外と少ない気がした。それでもこれは多い方なんだそうだ。何度も繰り返すことによってまとまった数になるそうだ。
そして、網を海に沈め、またゆっくりと網を曳く。この一連の作業を約12時間、翌朝10時頃まで何度も繰り返される。ようやく帰路につき再び明石浦に戻ったのはお昼の11時過ぎ、セリ場では既に昼市が行われていた。日が昇ってからの漁はとにかく暑さとの戦い。

乗せていただいた日の水揚げは約400キロ。もっとも漁師として嬉しいのは、獲れるピークがあるよりも、細く長く獲れるほうが嬉しいそうだ。水揚げされたタコは、一旦、組合(漁協)が買い取り、売りさばかれていく。これが明石浦のシステムである。このことで相場を安定させる。
 
この日は徹夜となった。途中、何度か睡魔に襲われたが幸い船酔いはしなかった。我々の様な素人はたったの一日で早くも限界、しかも漁は我々がテレビを見るか一杯やって寝ている時間にも行われる。これを毎日、繰り返すのは、なんとも気力と忍耐力がいる。いくら仕事とはいえ頭の下がる思いだった。

スーパーなどでは外国産の茹でダコが売られている。家庭で塩もみをしたり茹でる手間をかけなくてよい。現代は便利性や安さが重視されているが、それもライフスタイルの変化の中、当然のことかもしれない。しかし、漁師の仕事ぶりをそばで見せていただくと、この様にして獲られた魚だからこそ感謝の気持ちを込めて、地元の魚を扱わなければと思う。産地であると同時に消費地でもある「魚のまち」明石。この地元の魅力、財産を漁師、お客さんと共に永く大切にしていく為に、私たち商人は情報を発信していく役目があると改めて感じることができた。
                                                          文:ミニコミ編集委員長 松谷佳邦

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