明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙




明石のまちの魚の棚
 
 今回の特集にもあるように、先人の方々が築き上げてきた「魚の棚」は、全国に誇れる素晴らしい可能性を秘めた商店街だと言えます。この商店街は、昔から明石の台所という大きな看板を背負って、商いをさせていただいていました。
 現在では、明石の西部の皆様にとっては、あまりなじみがないという商店街になっているかもしれません。しかし、まちの外や近隣から見ると、古い歴史のある町として、明石の中のシンボル的な場所であり、お買い物のみならず情報の発信源としての機能を持つ商店街として日々進化してきています。近隣の皆様からすれば、日々のお買物をする
場所として料理屋さんにとっては、店で提供する食材をお買い求める場所としての機能はもちろん、話題を添えることのできる商店街だと思っております。少し離れた明石の皆様にとっては、年末のお買物、大切なお客様のおもてなし等の買出しに利用されたりする事が多いのではないでしょうか。地元の方には日常であり、遠方の方には発見のある商店街という「おもしろい場所」になってきていると思います。

地域の台所として
 
 魚の棚のいいところの一つは、同業種がたくさん集まっていて競争が起きている商店街であるというところです。イカナゴの新子も値段を統一せず競い合って、値段が変動していきます。競争はそれぞれのお店の特性を育て差別化しながらより特化していきます。ただ、スーパーをよく利用するお客様からすれば、魚の切身でもパック売りされている方が食べやすいとか、調理しやすいとかと言った部分はあるかと思うのですが、商店街の魚屋さんは、使い勝手の良さより商品の鮮度にこだわるが故っていうところが魚の棚の良さなのかなと思います。というのは、昼網で上がってきた鮮魚が、一回包丁を入れてしまうと、空気に触れ、鮮度が落ちていきます。前ものとか昼網を扱っている魚屋さんは、いかに魚の鮮度を落とさないかを考え努力をされています。例えば、活けじめとか、活けごしとか、この魚はこういう形で提供したほうが美味しく食べられるという、知識もひっくるめていろんなことに扱いなれているんです。明石の人が他の地域に旅行に行って魚を食べても明石の魚の方がおいしく感じたりするのは鮮度はもちろんですが魚屋さんや料理人さんが魚の美味しさを引き出すテクニックを熟知されているところにあると思います。
 一方で、魚の棚の課題というのは、接客面かなと思っています。お客様に対してせっかくいい商品を提供しているのに、それをお客様に伝える努力を、もっともっとしなければなりません。魚料理の仕方ひとつにとってもそうですが、お客様が商品を買うまでの課程の中で、より美味しい魚の食べ方のアドバイスをお店側が提供できればと思います。接客商売ならではのスーパーではマネのできない、お客様とのキャッチボールを各店舗がもっと勉強する必要があると考えています。

観光スポットとして
 
 ライフスタイルが変わって週休二日のご家庭が増え、土日に魚の棚に来られるお客様というのは間違いなく増えています。バスで来られた観光のお客様に対してきっちり接客するということで、また、そのお客様が今度はマイカーで半日来られたりもします。また商品を気に入っていただければお取り寄せしていただくことにも繋がると思います。そう考える
と、魚の棚というのは商圏は無限に広がるのかなと思います。そういう気持ちを持って地元のお客様・観光のお客様にも分け隔てなくサービスを提供するのはもちろんですが、市外からのお客様に対しても明石の顔として恥ずかしくないサービスを意識するというのが商店街にとっては非常に大切な事です。
  もう一つは、観光というくくりでは、京阪神方面とかからいらっしゃるお客様からすると、交通の便は非常に良いのですが、一泊してまで滞在するまでではないというお話をよく伺います。魚の棚だけで観光を考えるのではなく、近隣の魅力ある施設の情報発信や食と買い物だけではない、明石に来て何か体験ができるような、滞在時間を伸ばすことのできる連携を考え観光圏というもう少し広い幅でお客様に明石の魅力を伝えられたらと思います。
魚の棚東商店街 理事長
安原宏樹
あかし多幸 店主

若い世代の役員メンバーが多い魚の棚ですが、皆様にとって地域の台所であり、
行ってみたい観光スポットであるよう努力して行きたいと日々、いろいろな仕掛けを考えておりますので、
またご意見・ご要望などございましたら是非教えてください。



 
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