明石・魚の棚をもっと知りたい、楽しく歩いてみたい……情報紙
今回の座談会は、魚の棚商店街の商売を表で裏で支える女性、特に若い世代を代表して4人の方にご参加いただきました。活気にあふれる商店街も、元気な奥さんたちの存在あればこそ。ご近所づきあいや子育てのこと、主婦としてお客さんに伝えたい思い、語り出したら止まらない!話は奥さま軍団結成へ、今後の活動も楽しみです。 
 瀧野淳子さん
野菜、果物などを扱う「金引青果」の若奥さん。生まれも育ちも、嫁いだ先も魚の棚という筋金入りで、商店街への愛着は人一倍。 小学5年生、2年生、幼稚園の3人娘を子育て中。
 澤田美千代さん
神戸・舞子出身。18年前から営むお好み焼き店「水仙」では、自家製ベーコンなどこだわりの味が自慢。21歳(男)17歳(女)の母で、座談会では姉さん的存在でリードしてくれました。
 今村知佐さん
明石焼・お好み焼の「よし川」の奥さん。
瀧野さんと同じく、実家も嫁ぎ先も魚の棚で「商店街の賑わいを子どもの世代に残したい!」と熱く語ってくれました。4歳と0歳の男の子のママ。
 藤原朋恵さん
奈良から鮮魚店「かねき」へ嫁ぎ「見たこともない魚にびっくり」の毎日を経て早10年。
その経験を活かして、買いやすい店づくりに奮闘中。
小学3年生(男)と1年生(男)のお母さん。
う 当紙面「うおんたな」編集委員会




















同じ商店街内でも案外面識のない人も多くて、奥さん同士で集まって話したいなあって前から言うてたんよね。
お商売してるとやっぱり大変でしょう、旦那さんともずっと一緒におるわけやし。
サラリーマンの家とは感覚違うよね。
でも子育てはサラリーマンの家より楽ちゃうかな?ご主人が出かけたらもう夜まで帰って来なくて、その間1人って大変やと思う。うちやったら近所の店に預けて出かけられるから。
それはある。うちも子どもが小さいときは、忙しかったら、ここ(藤原)のお義母さんが「連れて帰ったるわー」って店の2階の事務所で遊ばせてくれたもん。
本当、そうです。うちも向いの田中さんとこで、保育園の後は2階でお婆ちゃんたちが自分の孫のように面倒見てくれて。
うちの子が大きくなったら、今度は朋恵ちゃんの子がうちの店に来て。順ぐりに交流できてて、そういうのは魚の棚のいいとこやね。よその子が来て悪いことしとったら怒るし。
私は(子どもの頃)近所に商店街がなかったから、結婚して魚の棚に来てびっくりもしたけど、ありがたいなあ、いいとこやなあって思った。
昔はみんな店の上に住んでましたもんね。昼間は学校から帰ったらどっかの店で遊んで、晩は商店街の道にチョークで落書きして遊んだり。
そういう意味では安全でもあるし、ちょっと暗くなっても大丈夫やし。
うちは店の上に住んでます。
私も店の上に住んでます。すごい快適ですよ。洗濯物入れるとか、ちょっとした家事するのもすぐ上がってできるのは便利。ただ休みの日に出て行く時の、みんなの視線はちょっと気になるかな。
わかる!私は家は別やけど、休みの日に店で用事してから出かけるような時ね、顔合わせたらいちいち「どこ行くの?」ってみんなに聞かれて時間かかるから、大回りしてこっそり出かけるもん。


















魚の棚の魚屋さんはひと盛りが多いんよね。お金を負けんと盛りを負けてくれて、メイタガレイ12匹とか言われても、どうしたらいいんや!と思う。
でも、たとえばブリ4切れで盛ってあるのを「2切れでいいねん」って言われたら、うちはできる限りそうしてあげたい。中にはできへんものもあるけど、なるべく希望に沿うようにしてる。
先入観で「魚の棚はみんな量が多い」って思い込んでる人も多いよね。
店先に「量については聞いて下さい」とか貼り出ししたら?
1匹500円にして10人に売れるんやったら、そうしたらいいのに。
でも、品物によって大小や、きれい汚いがあるから、均等に同じ値段でってわけにいかなくなってくる。
そやから基本的に盛りものは、盛りにした時点でサービス品なんよね。
たとえば4匹一盛りじゃなくて2匹一盛りにしといて、4人やったら2つ買ってもらうっていう考え方はできへんの?安いからってまとめて売られても困る、冷凍でストックなんてしたくないし。
そこらへんはやっぱり魚の棚が変えていかなあかんとこやと思う。でも結局、それも人手があったら何とでもできること。魚屋の仕事は寒いし時間は長い、大変な仕事やからアルバイトでも人が続かへん。人手不足っていうのは悔しいけど、1つの原因ではあるなあ。
よく聞くのが「料理するって書いてあるから頼んだら、お腹出すだけで切り身にしてくれへん。『そんな安いもん、そこまでできへん』って言われた」とか言う話。
確かにね、ほんまに安くしてるもんについては「ゴメン、勘弁して」っていう場合もあると思う。
それはそれで、わかるように書いといたらいいと思うんですよ。それに、よそから来た人にはどの魚をどうやって食べるのかも教えてあげなあかんと思います。料理例を写真で見せるとか。



















でもね、「これホンマに今だけやねんから買ったらええのに」っていうものを、みんな見過ごしてると思うんですよ。たとえばいかなごの新子は離乳食に使えるとか、私らは旬のホンマにおいしいもん食べてるから、みんなに知ってもらいたいっていつも思う。
食べ方を知らん人が多いやろなあ。
釜揚げでも、そのままポン酢かしょうゆで食べるぐらいしか知らへんでしょ。次の日にはかき揚げにしたり卵焼に入れたり、いろいろできる。けど、私の友達でさえ調理の仕方も知らへんし、魚さばかれへん。切り身か刺身しか買わへんねん。
私は海のない奈良から嫁いで来たから、魚の棚に来たらほとんど見たこともないような魚ばっかりやった。名前覚えることから始めて、料理も勉強して。そやから店では、魚には名前を全部付けてるし、この春から「今日おすすめの魚」を貼り出してます。「これ、どうやって食べたらいいの?」って話のきっかけになったらいいなと思って。
朋恵ちゃんはそういう感覚をもっと、どんどん出していったらいいねん。
でも女の人の視点で「こうしたら?」って(店のやり方に)意見を言うても、男の人からすると「そんなことまでせんでも」っていう感じもあるんよね。
買いに来てくれるのは女の人なんやから、男の人は奥さんの話を聞かへんかったら売れるもんも売れへんで。たとえばサラリーマンの家庭は、決まった給料の中で食費は1日これだけって考えるやん。そういう人から見たら魚の棚の魚は確かに高い。そこをどうするか。
高い分おいしいって知ってもらうしかない。
品物はいいのに、発信ができてないからもったいない。変に「魚の棚の魚は高い」て思われてるけど、それだけおいしいねんから、一回でも食べたらわかるはず。野菜だってスーパーのより日持ちするし、果物もおいしい。そやけど多い盛りで売ってるから手が出えへん。ほんまは「これ半分にして」「きゅうり1本だけちょうだい」って言えるんやけど、言える雰囲気がないねんな。けど「他の日は我慢しても、週1回は魚の棚でおいしいもん買おう」て思ってくれるお客さんを増やすしか、手はない。30人が週2回来てくれるより、100人が週1回のほうが多いわけやん。魚の棚がやり方変えていかんかったらあかん。




















魚の棚は営業時間終わるのが早すぎるっていうのもよく言われる。
でも一軒だけ遅くまで開けてもあかん、やるなら一斉にやらな。
みんなで夜まで開ける日を作ったら?金曜日だけとか。
夏場、8時ぐらいまで開けるとかね。
遊べるとこがあったり、そんなんもいいな。
ほんならうち、ヨーヨーすくいやろかな(笑)。
昔、魚の棚で七夕のイベントがあってね、子どもの時すごい好きやった。大きな飾りを上からいっぱいぶら下げてね。またぜひやってほしいなあ。
夏の夜のイベント、やりたい。私が行きたいですもん!
週末限定で観光の人向けで何かできへんかな。それかお総菜屋さんも意外とあったら売れそう。商売してる奥さんが多いから、いいと思う。
奥さま軍団で!今の店しながらは大変やけど、何人か集まればできるんちゃうかな。
それぞれ八百屋は野菜、魚屋は魚を出して、お惣菜作ったらいいやん。そこで料理できんでも、それぞれ持ち寄りだってできるし。
どっかの空き店舗使って奥さん軍団の拠点にしたいね。
女性のお客さんが行きやすいし、行けば魚の棚の情報が聞けるとなればいいですよね。
子どもが座れる店がいいですね。座敷があるとこ、それと車いすで入れるところ。
奥さん軍団でミニコミ紙作るのも面白そうですね。生活者の目線で。
いいことやと思う。堅苦しくない感じでやりたい。



その時は絶対旦那が子どもを見る、と。そうせな子どもが小さい人は出られへんから。少しずつ人数増やして、輪を広げていこう。商店街の大きな力を動かすのはやっぱり男の人やけど、私らも意見は言えるし協力もしたい。女の人10人が同じ意見やったら、男の人もそうかなって思うでしょう。
奥さん同士つながりができたら、面白いことができそうですね。お客さんに近い、優しい商店街になるんちゃうかな。やるんやったら、とにかく楽しくやることやと思います。
暇や暇や、言うててもしゃあないもんね。何でもチャレンジしてしてみんと。
今日は面白かった、すごいパワーでした!ありがとうございました。

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